『賢者のおくりもの』は、アメリカの作家オー・ヘンリー作品で、1905年に発表した短編小説です。
オー・ヘンリーの代表作と知られ、クリスマス劇の演目として人気が高い作品となっています。
ある若い夫婦がお互いに発揮する思いやりに、自分自身を見直させるお話です。
夫婦が互いにプレゼントを贈る際に起こした行き違いを描いており、とても心温まる結末になっています。
この作品について、知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで気になるのは、「賢者のおくりもの教訓とは」「賢者のおくりものあらすじは？」「賢者のおくりもの意味について」ではないでしょうか。
そこで今回は
- 賢者のおくりものあらすじ
- 賢者のおくりもの教訓について
- 賢者のおくりもの意味とは
をまとめていきます。
賢者のおくりものあらすじ
賢者のおくりものあらすじは、以下で説明します。
賢者のおくりもの
— NO WAR 絵本のこたち『ちいさい舟』 (@cotachi_books) December 23, 2019
文 オー・ヘンリー
画 リスベート・ツヴェルガー
訳 矢川澄子
富山房
１ドル87セント。
クリスマスの朝、デラが手にするお金はそれが全てでした。
たったこれだけで、どうして愛するジムに贈り物を探すことが出来るでしょう？
賢さとは何でしょう？ pic.twitter.com/2CzHuG2Hfb
若夫婦のジムとデラは、貧しくも仲睦まじく暮らしていました。
クリスマスの前日、デラはジムにプレゼントを買うお金がないことに悩み、ついには自分の自慢である長い髪の毛を売る決心をします。
髪の毛と引き換えにお金を手にしたデラは、ジムの自慢の金時計にぴったりの鎖を見つけ、プレゼントをします。
そしてその晩、帰宅したデラの短くなった髪の毛を見たジムは呆然とします。
ジムは自慢の金時計を売って、デラのためにくしのセットをプレゼントに買っていました。
お互いのために大切なものをささげ合った結末が、心あたたまります。
本当の「賢さ」と「愚かさ」について考えさせられる、大人のための物語となっています。
賢者のおくりもの教訓
賢者のおくりものの教訓について、この童話では「献身の意義」について問われているように感じました。
「自分を犠牲にして相手に尽くすこと」を意味していますが、この物語でジムとデラはお互いを想いあって行動しました。
ジムはデラのために自分の大事な時計を売り、デラはジムのプレゼントを買うために髪を切り、お金に換えました。
この物語では、ふたりの行動がすれ違いを生んでしまいましたが、最後はより一層の幸せを実感したように描かれています。
ジムとデラのしたことが、愚かで無駄なことと考える方もいらっしゃるでしょう。
オー・ヘンリーはこの物語を通して、「自分の宝物を失ってでも何かをしようとする優しさ、思いやりのすばらしさ」を伝えたかったのかもしれません。
オー・ヘンリーは、ジムとデラを「愚かな2人の若者」と言っている一方で「真の賢者」とも言っています。
その理由は、2つ考えられます。
- 自分のことより相手の喜ぶことを真剣に考えていた
- 意味のないおくりものになってしまったが、相手をいたわっている
もしこのすれ違いにより、お互いを責め合ったとしたら、「愚かな2人の若者」で最悪な結末を迎えていたかもしれません。
ジムとデラは相手のことを責めず、本当に大切なものが何かを理解していたのでしょう。
お互いのことを考え、「相手のために自分の大切なものを手放す」という選択をしたジムとデラ。
ジムはデラがくしを欲しがっていたけれども、高価なものだからあきらめていると考えていた。
デラは、ジルが金時計を誇りに思いながら、鎖のないことでみじめな思いをしていると感じていた。
だから自分の大切なものを手放すことに抵抗がなく、喜びでしかなかった。
このお互いの行動によって、1番大切なものは相手であるということがわかった。
お互いの欲しいもの、必要なもの、好きなものを、正しく把握して理解しあうということは、簡単なことではありません。
本当に愛し合って理解していなければ、相手の1番望んでいるものがわかるはずがありません。
この物語は、さまざまなことに気づかせてくれ、相手を思いやることや行動を改めたいと感じさせてくれます。
賢者のおくりもの意味について
賢者のおくりもの意味について、本当に大切なもは何かを教えてくれています。
夫婦のお互いの愛情を描いた心温まる物語で、お互いのために最も大切にしていたものを差し出すという思いやりの大切さを説いています。
少し見方を変えてみると、お互いのクリスマスプレゼントを準備するために、最も大切にしているものを差し出さなければならないほどの困窮した生活。
クリスマスを迎えるにあたり、相手のプレゼントを心配するという、計画性のなさが伺えます。
お互いを思いやるという素晴らしいことに気づかせてくれる半面、普段からのお金の使い方についても考えさせられるものと感じました。
まとめ
今回は、「賢者のおくりもの」についてまとめました。
この物語を通して、本当に大切なものは物では変えることのできない、そしてお金の使い方について改めて考えさせてくれることがわかりました。
一度読んでみるのも良いかもしれませんね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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